明日から師走なんですね!何もかもが足早に通り過ぎて行くのは歳のせいだけではないような気もするのですが(笑)。外はすっかり寒いですし、インフルエンザも流行する時期です。年越しに向かって元気にがんばりたいものですね。
さて、6月には認知症サポーター養成講座についてお伝えしました。西成区オレンジリングの会では、区内の福祉施設さんや企業さんなどさまざまなところからご依頼をいただき、講座を開催しています。
そういうわけで今月は、山王集会所で実施した認知症キッズサポーター養成講座※についてお伝えします。ポランティア・市民活動センターさんを通じてご依頼をいただきました。
今回は『キッズ』ということで山王こどもセンターさん、こどもの里さんから、こどもたちが集まってくれました。
まずはアイスブレイクのクイズから始まりましたが、とにかくみんな元気元気!
『はい!』『はい!』と手を挙げて答えたい気持ちが溢れているんですね。付添の職員さんらも同じように手を挙げてくれて、本題に入る前から早くも会場の雰囲気は温まっています。いい感じですね。
目の前のこどもたちを見ていて、『ああ思ったことをその場で素直に伝えるっていいなあ。そうやって人はつながっていくんだなあ』と改めてしみじみ感じました。
困っている人に声をかけてみようと思い、がんばって声をかけてみることも、とっても尊いことではないでしょうか。それはまさに“身近にいる人を見守り応援する“という認知症サポーターの理念にも繋がっています。
本題の説明に入る前から、こどもたちは認知症キッズサポーターの素質を見せてくれています。
このあと講座は認知症についての説明、そして寸劇へと進んでいきます。
認知症には残念ながら治す薬はないけど、早く治療できれば、進行を遅らせたり症状を軽くすることができるという説明を聞いて、『おじいちゃんが病気で物忘れも出てきたけど、退院して良くなってきたよ!』と教えてくれた子がいました。
寸劇の設定は“近所のおじいさんがキョロキョロと不安そうな顔で歩いているのに、あなたは気付きました”というものです。私はおじいさん役で参加しました。
先に悪い声かけの例をやりました。見てみてどう感じたか問いかけると…
『声のかけ方が怖かった』『冷たかった』『自分の言いたいことだけ言って、おじいさんを助けていなかった』
う~ん、なかなか鋭いところ突いているね。あんな言われ方されたら、余計に不安になるし、腹も立ってしまうね。
それから、良い声かけの例を見てもらうと…
『やさしく声をかけてあげていた』『どうして困っているのか、ちゃんと聞いていた』『おじいさんがわかる場所まで一緒に付いて行ってあげて親切だった』
そうそう、困ってそうな人がいたら、最初にどうしたのか尋ねてみるのが大事だね。それから、自分で帰れそうな場所まで案内してあげたから、おじいさんもすごくホッとして笑っていたよね。それとね、もし自分だけではできないな思った時には、無理をせずに近くのお店の人や先生、親などに助けを求めることも大事だから覚えておいてね。
こどもたちは、私たちが伝えたいことをこちらが説明する前から、しっかり理解してくれていました。
最後に受講の証である認知症キッズサポーターカードの贈呈式を行って、終了となりました。
実は後日談がありまして、ボランティア・市民活動センターの方からこんなエピソードを聴きました。
『翌日の西成区民まつりで当日参加していたこどもと会ったのですが、その子が私に自信満々にカードを見せてくれて、「今日、活躍できるかもしれないから持ってきた!」と元気よく伝えてくれました。』
この子はきっと『困っている人がいたら、勇気を出して声をかけることが大事なんや!』という私たちが一番伝えたいメッセージを受け取ってくれたのではないでしょうか。そんなこどもたちがこれからも増えていきますように!
こどもたち向けの認知症サポーター養成講座にスタッフとして参加するのは初めての体験でした。こどもたちからたくさんのことを教えてもらいました。本当にありがとうございました。
※認知症キッズサポーター養成講座:小学生中学生対象の認知症サポーター養成講座のことです。西成区内で講座開催のご要望がありましたら、西成区オレンジリングの会事務局(☎06-6656-0080)へお問合せください。