第三者が関わるということ

 皆さん、こんにちは!

  6月目前!今年も半年が経過しようとしています。 過ごしやすい日も出てきていますね😊

 さて、改めてとなりますが私たちオレンジチームは認知症に特化した支援チームです。我々のもとにも電話やメールで様々な相談が届いています。

 例えば・・・

 ・ご家族さんはじめ身近な方からご本人のもの忘れの心配やご家族間の関係性の増悪…

 ・支援者(包括支援センターやケアマネージャーなど)から状態悪化(その方にしか見えない物が見えて不穏になられている、家賃滞納が重なり、家での生活が出来なくなりそうであるなど)相談等々・・・相談も様々です。

 今回は、第三者が関わることについて感じていることをお話しします。

 まずは、身近な方からの相談です💡

 もの忘れしていることに対し、同居 or 別居家族、身近な方から本人へ伝えると「そんなことない!」「〇〇の方が認知症や!」などと返ってくることはありませんか?

 身近な方からの相談の時はたいていお聞きします。 身近な方は、身近で本人変化を感じられる。心配・・・ 。けれど、当の本人は身近な方からの言葉・・・。 引っ掛かる方もいらっしゃいます。

自身の変化に気づいておられる方もいらっしゃいます。 そんな中の身近な方の言葉に受容出来ず、反発してしまう。心配しているから伝えているのに!と悪循環となり、関係性不和となることも多々お聞きします。

 そんな時は、第三者からのアプローチも視野に入れてみて下さい。

 実際、身近な方からの話は素直に聞き入れることが難しく、悩まれた相談者から相談を受け、オレンジチームと本人接触させて頂くことは多々あります(ご本人へ相談者から相談を受けたお伝えすることもあれば、相談を受けたことは伏せ、ご年配の方の戸別訪問と伝えて訪問することもあります。事前にアプローチの仕方は一緒に考えさせて頂いています。)

 日常生活の聞き取りの過程で、ご本人から「最近年でよく忘れるの。」と話される方もいらっしゃいます。私たちはご本人の「忘れることがある」“不安な気持ち”に寄り添わせて頂き、関わりを持つことを心がけています。

 すると徐々に「家族にも指摘されていたけれど、意固地になっちゃって。」などと胸の内を話して下さる方も中には居ます。

 自分をよく知られていないからこそ胸の内を外に出される。これは、第三者だからこそ出来ることだと感じています。

 お互いの為に第三者の関わりも一つ。身近な方だけで抱え込まれず、第三者への相談も検討してみて下さいね😊

 続いては…支援者さんからの相談です💡

 ヘルパーやデイサービスなど介護サービスを使っているけれど、ここ最近ご本人が怒りっぽくなった、本人にしか見えない何かと本人が話をしている。以前と様子が異なる。何かあるのでしょうか?といった様な相談もあります。

 その際は、ケアマネージャーさんなど支援者さんからご本人さんの情報や支援者さんの見立てを聴かせて頂きます。オレンジチームの見立ても伝えさせて頂きます。ご本人が安全に安心して生活出来る様に一緒に考えさせて頂いています。 その過程で医療的な見立てが必要となった際は、専門医療の見立てを頂くこともあります。

 中には、住み馴れた自宅での生活が厳しくなられる方もいらっしゃいます。その際はご本人の意向を尊重しながら、支援機関間と連携を図り、住まいを自宅から施設へ変わられる部分に携わることもあります。

 相談内容は様々ですが、身近な方も支援者さんも抱え込まずにいてもらいたい。そんな思いでチーム支援を行っています。

 暑い季節もそこまでやってきていますね。身体第一にお過ごし下さいね☺️

春の訪れ

  こんにちは!

 過ごしやすい日が増えて来ましたね😊桜の開花もちらほら見かける今日この頃です🌸

 さて、先々月の話となりますが、にしなりオレンジチームが設置されている社会福祉法人 白寿会は、2/22を以って、30周年を迎えました。

 記念式典が開催され、我がにしなりオレンジチーム管理者が所属する法人バンドの演奏やミニゲーム等、 関係者はじめ職員と祝うことが出来ました。 また、改めて、法人の方針を振り返る機会となりました。

 下記、法人方針一部抜粋。

 利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が個人の尊厳を保障しつつ、自立した日常生活を地域社会において営むことが出来る様支援することを目的にお手伝いする。

 私たちは、本人様やご家族様の意向を中心にした支援を行っています。意向が定まらないことももちろんあります。寄り添い、時には、関係者を交え検討することもあります。

 専門職とし、創意工夫するための引き出しを増やすために、研修はじめ検討会、共有会にも参加しています。次年度も引き続き、 独り、家族、地域、専門職だけで抱え込まず、額を寄せ合った支援をしていこうと思います😊

  

こどもたちが認知症サポーターになってくれました。

明日から師走なんですね!何もかもが足早に通り過ぎて行くのは歳のせいだけではないような気もするのですが(笑)。外はすっかり寒いですし、インフルエンザも流行する時期です。年越しに向かって元気にがんばりたいものですね。

さて、6月には認知症サポーター養成講座についてお伝えしました。西成区オレンジリングの会では、区内の福祉施設さんや企業さんなどさまざまなところからご依頼をいただき、講座を開催しています。

そういうわけで今月は、山王集会所で実施した認知症キッズサポーター養成講座※についてお伝えします。ポランティア・市民活動センターさんを通じてご依頼をいただきました。

今回は『キッズ』ということで山王こどもセンターさん、こどもの里さんから、こどもたちが集まってくれました。

まずはアイスブレイクのクイズから始まりましたが、とにかくみんな元気元気!

『はい!』『はい!』と手を挙げて答えたい気持ちが溢れているんですね。付添の職員さんらも同じように手を挙げてくれて、本題に入る前から早くも会場の雰囲気は温まっています。いい感じですね。

目の前のこどもたちを見ていて、『ああ思ったことをその場で素直に伝えるっていいなあ。そうやって人はつながっていくんだなあ』と改めてしみじみ感じました。

困っている人に声をかけてみようと思い、がんばって声をかけてみることも、とっても尊いことではないでしょうか。それはまさに“身近にいる人を見守り応援する“という認知症サポーターの理念にも繋がっています。

本題の説明に入る前から、こどもたちは認知症キッズサポーターの素質を見せてくれています。

このあと講座は認知症についての説明、そして寸劇へと進んでいきます。

認知症には残念ながら治す薬はないけど、早く治療できれば、進行を遅らせたり症状を軽くすることができるという説明を聞いて、『おじいちゃんが病気で物忘れも出てきたけど、退院して良くなってきたよ!』と教えてくれた子がいました。

寸劇の設定は“近所のおじいさんがキョロキョロと不安そうな顔で歩いているのに、あなたは気付きました”というものです。私はおじいさん役で参加しました。

先に悪い声かけの例をやりました。見てみてどう感じたか問いかけると…

『声のかけ方が怖かった』『冷たかった』『自分の言いたいことだけ言って、おじいさんを助けていなかった』

う~ん、なかなか鋭いところ突いているね。あんな言われ方されたら、余計に不安になるし、腹も立ってしまうね。

それから、良い声かけの例を見てもらうと…

『やさしく声をかけてあげていた』『どうして困っているのか、ちゃんと聞いていた』『おじいさんがわかる場所まで一緒に付いて行ってあげて親切だった』

そうそう、困ってそうな人がいたら、最初にどうしたのか尋ねてみるのが大事だね。それから、自分で帰れそうな場所まで案内してあげたから、おじいさんもすごくホッとして笑っていたよね。それとね、もし自分だけではできないな思った時には、無理をせずに近くのお店の人や先生、親などに助けを求めることも大事だから覚えておいてね。

こどもたちは、私たちが伝えたいことをこちらが説明する前から、しっかり理解してくれていました。

最後に受講の証である認知症キッズサポーターカードの贈呈式を行って、終了となりました。

実は後日談がありまして、ボランティア・市民活動センターの方からこんなエピソードを聴きました。

『翌日の西成区民まつりで当日参加していたこどもと会ったのですが、その子が私に自信満々にカードを見せてくれて、「今日、活躍できるかもしれないから持ってきた!」と元気よく伝えてくれました。』

この子はきっと『困っている人がいたら、勇気を出して声をかけることが大事なんや!』という私たちが一番伝えたいメッセージを受け取ってくれたのではないでしょうか。そんなこどもたちがこれからも増えていきますように!

こどもたち向けの認知症サポーター養成講座にスタッフとして参加するのは初めての体験でした。こどもたちからたくさんのことを教えてもらいました。本当にありがとうございました。

※認知症キッズサポーター養成講座:小学生中学生対象の認知症サポーター養成講座のことです。西成区内で講座開催のご要望がありましたら、西成区オレンジリングの会事務局(☎06-6656-0080)へお問合せください。